「夏に抜け毛が増える」と言われる原因
夏は頭皮にかかる負担が増えていることが分かりました!これが「夏に抜け毛が増える理由」とも言われる所以でしょうね!
どんなことに注意すべきか、ご紹介いたします!
紫外線によるダメージ
紫外線は1年中降り注いでいますが、特に6月~9月にかけて最も多くなります。
紫外線の90%はUVAと呼ばれる波長の長いもので、皮膚の真皮層まで届いて、髪を生み育てる毛母細胞の機能を低下させてしまうのです。
さらに、皮膚のコラーゲンやエラスチンなど柔軟性を維持する成分も損傷を受けるため、頭皮が硬くなって毛細血管を圧迫してしまいます。
すると頭皮に充分な栄養が届かなくなるため、抜け毛の原因となるのです。
こんな対策が効果的!
- 外出は紫外線が比較的少ない朝10時までと午後4時以降にする
- 髪をできるだけ小さくまとめ、紫外線が直接当たる部分を減らす
- 帽子や日傘を使用する
- 紫外線を防止する頭皮用スプレーをかける
- UVカット機能のあるアウトバストリートメントを使う
- 保湿力の高いシャンプーやトリートメント、ヘアオイルを使用する
夏は皮脂量が他の季節の2倍
頭皮は全身の中で最も皮脂腺が多く、顔のTゾーンの3倍以上といわれています。
さらに、夏は他の季節と比べて分泌量が2倍になります。
皮脂が紫外線に当たると、過酸化脂質に変化します。
また、皮脂は頭部の常在菌のエサになるのですが、皮脂が多いと常在菌も過剰繁殖し、遊離脂肪酸を放出します。
これらが活性酸素を発生させてしまい、毛母細胞にダメージを与え、薄毛や抜け毛を引き起こすのです。
こんな対策法があります!
- 余分な皮脂を取り除き、頭皮を守る分は残すアミノ酸シャンプーを使用する
- 洗いすぎるとかえって皮脂が過剰分泌されるので、シャンプーは1日1回にする
- オイルクレンジングで毛穴に詰まった余分な皮脂を溶かし出す
- 皮脂は水分不足によって過剰分泌されるので、頭皮をしっかり保湿する
- 頭皮の皮脂を増やす炭水化物や肉類などを摂りすぎない
汗の塩分による影響
汗は水分が99%を占めますが、残りの1%の大部分が塩分です。
また、汗は汗腺と呼ばれる、毛穴のそばにある組織から出ています。
汗腺の出口は毛穴より高い部分にあるため、発生した汗は毛穴内に入り込んでしまいます。
すると、塩分が刺激となって毛穴内が炎症を起こしてしまいます。
さらに、塩分と皮脂、ほこりなどが混ざり毛穴を詰まらせてしまうと、皮脂腺から出た皮脂が毛穴から出られなくなり、雑菌が繁殖しやすくなります。
これらの原因によって毛母細胞が損傷し、抜け毛になりやすくなるのです。
こんな対策法があります!
- ぬるめのお湯を使い、頭皮を中心に丁寧にシャンプーする
- シャンプーは1日1回にし、それ以外はお湯だけで頭皮中心に洗う
- シャンプー後のドライヤーは冷風に設定する
- 身体を冷やす作用のある旬の夏野菜を摂る
- タオルでこまめに頭皮の汗を拭く
- 帽子を被る時は、できるだけ汗を吸い取り通気性の良い素材のものにする
夏バテでの食欲低下
夏バテを起こすと、胃腸の働きが悪くなります。
特に、髪の主成分となるたんぱく質は肉や魚、大豆製品などあまり消化が良くないものに多く含まれているため、食べてもしっかり吸収できなくなります。
さらに、体温調節のために交感神経が常に優位になるため、血管が収縮してしまいます。
すると頭皮に栄養が届きにくくなる上に、届いた血液も栄養不足のため毛母細胞が新陳代謝できなくなり、髪の成長が止まって抜けてしまうのです。
こんな対策法があります!
- 少量でも、栄養バランスの取れた食事を心がける
- 喉の渇きを感じていなくても、少量の水分をこまめに取る
- 大量に汗をかいた時は、塩分などミネラルを少量含んだ飲料で補給する
- 冷たい水分の摂り過ぎは胃腸の働きをさらに悪くするので、常温にしたものを飲む
- エアコンをうまく調節して冷えすぎないようにし、充分な睡眠を取る
クーラー依存
クーラーのかかった部屋に長時間いると、身体が芯から冷えてしまいます。
すると、身体は臓器を守るために血液を集めようとするため、末端まで血液が届きにくくなります。
その上、頭部が冷えているため血流がさらに悪くなり、栄養不足から抜け毛を引き起こすのです。
また、クーラーを長時間つけていると室内の空気が乾燥し、頭皮の水分を奪ってしまいます。
すると毛母細胞の新陳代謝がうまく行かなくなるため、髪が細く弱くなり、抜けやすくなるのです。
こんな対策法があります!
- できるだけ冷房ではなく除湿設定や送風にする
- 冷房は温度設定を28℃前後にする
- 寒さを感じたら窓を開け、温度を上げる
- できるだけ身体を動かし、血行を良くする
- 冷房が効いている時は、身体を温める生姜湯やほうじ茶、ココアなどを飲む
- コーヒーや麦茶は身体を冷やす作用が強いため、ホットでも飲まないようにする
‐日常生活編‐ 夏の抜け毛対策6選
夏の抜け毛対策は、普段の生活の中でできる改善もたくさんあります!
何かに頼るのではなく、ちょっとしたポイントを見直すだけでもOK。
①食生活を見直す
髪の毛は食べた物からできています。
しかも、「髪は血の余り」といわれ、内臓や組織に充分行き渡った後の残りの栄養素しか届きません。
また、交感神経は血糖値の変動によって緊張します。
交感神経には血管を収縮させる働きがあるため、血糖値を上げる食事ばかり摂っていると頭皮に栄養が届かなくなります。
さらに、自律神経を安定させるセロトニンやドーパミンといった神経伝達物質は腸内で作られることから、腸内環境を整える食事をすると血管が拡張され、頭皮に栄養が届きやすくなるのです。
対策のポイント
- 髪の主成分であるタンパク質を十分摂取する
- 動物性タンパク質の過剰摂取は腸内環境を悪くするため、植物性タンパク質も摂る
- タンパク質を髪のケラチンタンパク質に変化させるビタミンやミネラルも必要
- 脂っこい食べ物は頭皮の皮脂分泌量を増やしてしまうので、控えめにする
- 糖質は代謝されないと中性脂肪に変化し血液をドロドロにするので、ほどほどに
- アルコールは亜鉛やアミノ酸などを消費し髪の成長を妨げるため、サプリなどで補う
②ストレスをためない
人間はストレスを感じると交感神経が活発になり、血管が収縮するため、血流が悪くなって頭皮まで届かなくなります。
さらに、交感神経が優位になると胃腸の働きが弱くなるため、食べた物を充分消化吸収できなくなる上に、下痢や便秘になりやすくなります。
下痢になると体力が消耗し血行不良になりますし、便秘が長引くと便の老廃物や有害物質が血中に溶け出してしまい、汚れた血液が頭皮に送られてしまいます。
こういったことを避けるため、ストレスをためないことが大切なのです。
対策のポイント
- ストレスがたまる前に、こまめに発散させる
- ぬるめの湯船にゆっくり浸かり、心身をリラックスさせる
- ストレスによって髪の成長に必要な亜鉛が消費されるため、サプリなどで補給する
- 頭皮マッサージで頭皮の血流を良くする
- 適度な運動で脳の血流を改善し、自律神経のバランスを良くする
③帽子や日傘で紫外線を防止
黒髪は紫外線を吸収する作用があり、頭皮奥まで浸透しないよう保護してくれています。
しかし、夏の紫外線は非常に強いため、それだけでは防ぐことができません。
そこで、帽子や日傘で紫外線を遮り、頭皮奥まで届かないようガードする必要があります。
また、これらを使うことによって、皮脂や汗の量を抑制することができます。
過剰な皮脂や汗は頭皮環境を悪くし、抜け毛の原因となるため、特に夏は帽子や日傘で頭皮を守りましょう。
対策のポイント
- 紫外線を防止しやすい黒や青など濃い色が良い
- 薄い色にしたい時は、UVカット加工がしてあるものを選ぶ
- ポリエステル素材は紫外線を防ぐが熱も吸収するので、夏向きではない
- 麻や綿素材は紫外線吸収率が高く熱を吸収しないのでおすすめ
- 帽子はできるだけつばが長いものを選ぶ
- 帽子は汗や皮脂がつきやすいので、こまめに洗う
- 日傘は外側が白系、内側は黒系で熱と照り返し両方を防ぐ
④頭皮マッサージで血行促進
頭皮は心臓から遠い上に重力の影響があるため、血液が届きにくくなっています。
また、血行を促進させるためには筋肉量も重要ですが、女性はホルモンの関係で筋肉がつきにくいのです。
さらに、頭皮には側頭筋、前頭筋、後頭筋の3つの筋肉がありますが、頭頂部には帽状腱膜という膜しかないため、ますます血行が悪くなりやすいのです。
そこで、頭皮を直接マッサージすることで血行を促進すれば、頭皮に充分栄養が届くようになり、抜け毛防止に効果が期待できるのです。
対策のポイント
- 力を入れ過ぎず、指の腹でやさしく行なう
- 血液の流れに合わせ、下から上、横から後頭部に向けて行なう
- 指を頭皮に固定し、小さな円を描くようにする
- 頭頂部の中心にある百会(ひゃくえ)というツボは頭皮環境を良くする作用があるので、その部分を指の腹で押す
- 頭皮マッサージは1回3~5分を1日数回行なう
⑤クーラーの温度調節や湿度管理
夏は外気とクーラーを入れた室内の寒暖差が非常に激しくなります。すると自律神経が乱れてしまい、その結果血行が悪くなってしまいます。
さらに、自律神経が乱れると女性ホルモンのバランスも崩れ、髪の健康を維持するエストロゲンの分泌量が減ってしまうのです。
また、湿度が低すぎれば乾燥、高すぎれば蒸れやすくなり、どちらも髪の成長を阻害することになってしまいます。
そこで温度や湿度を調整することで、血行やホルモンバランスを良くし、育毛に良い頭皮環境を作ることができるのです。
対策のポイント
- 室内の湿度が60~65%前後になるよう、加湿器などで対応する
- 冷房の風が直接頭部に当たらないよう風の流れを調節する
- 帽子やスカーフで頭皮を守る
- 頭皮に触って冷えていると感じたら、頭皮マッサージを行なう
- 保湿成分を配合した頭皮用ローションを使用する
- オイルマッサージをして、水分が逃げないようにする
⑥夜更かしはせず早寝早起きを心がける
熟睡中には成長ホルモンという、細胞の修復や新陳代謝を促すホルモンが分泌されます。
このホルモンは熟睡中、しかも入眠後30分~3時間の間に多く分泌されます。
また、眠っている間に内臓や脳が充分に休むと、胃腸の働きが良くなり、ストレスが緩和されて血行が良くなります。
さらに、早起きをして朝日をしっかり浴びることで自律神経が整うため、心身のバランスが良くなり、育毛効果が期待できるのです。
対策のポイント
- スマホやパソコン、ゲーム機などは就寝の2時間前までで切り上げる
- ゆっくり湯船に浸かり、心身をリラックスさせて眠りにつきやすくする
- ヨガやストレッチで身体を充分ほぐす
- アロマや環境音楽でリラックスする
- 利尿効果の高いコーヒーやアルコールは控える
‐アイテム編‐ 夏の抜け毛対策4選
①オイルマッサージ
オイルマッサージの利点は、オイルを頭皮に塗布することで摩擦の負担が減ることです。
特に乾燥気味な場合、何もつけないでマッサージすると指が上手く動かず、頭皮に負担をかけてしまいます。
また、シャンプーでは落とし切れない頭皮や毛穴内に詰まっている皮脂は2割ほどあるといわれ、それらを溶かし出す効果もあります。
さらに、指に無理な力が入りにくくなることから脳が適度な刺激を受け、血流がアップしてリラックスできるのです。
こんなオイルはNG
- べとつきがひどく、ティッシュオフしても肌がてかる
- サラサラしすぎてマッサージしにくい
- 入っているオイルの種類は豊富だが、その分コスパが悪い
- のびが良くても肌なじみが悪い
- 香りが独特で長く残ってしまう
編集部のオススメ!
ニールズヤードレメディーズ アルガンオイル
参考価格:5,100円(50ml)
- 保湿、抗炎症、抗酸化など、自分の悩みに合っている
- ほど良くとろみがあり、指が動かしやすい
- 浸透性があり、いつまでもべたつかない
- 天然成分で、低温圧搾など美容成分ができるだけ残っている
- 香りが良く、リラックスできる
②アミノ酸シャンプー
アミノ酸シャンプーは洗浄力と脱脂力が穏やかで、乾燥から肌を守るバリア機能が正常に働くようにしてくれます。
また、肌や髪に含まれるアミノ酸が主成分なので、刺激が少ないという特徴があります。
市販されているほとんどのシャンプーは「高級アルコール系」で、非常に洗浄力と脱脂力の強い界面活性剤が配合されています。
すると頭皮が乾燥したり、乾燥した頭皮を守ろうと皮脂が過剰分泌されたりして、頭皮環境が非常に悪くなり、抜け毛や薄毛の原因となるのです。
こんなアミノ酸シャンプーはNG
- 「アミノ酸配合」だが、刺激性の強い界面活性剤が主成分
- 泡立ちが悪い、泡がすぐ消えてしまう
- しっかり洗っても頭皮がすっきりせずかゆみが出る
- 髪が絡まりやすくなる
- 皮脂がしっかり落ちず、炎症を起こす
編集部のオススメ
haru kurokamiスカルプ
参考価格:3,600円(400ml)
- 「ココイル~」「ラウロイル~」などの名称のアミノ酸洗浄成分が主成分
- 「ラウリル硫酸~」「ラウレス硫酸~」という刺激の強い界面活性剤が配合されていない
- リンスやコンディショナーなしでも髪がサラサラになる
- 天然由来成分を多く配合
- 紫外線ケアやフケ・かゆみなどを防ぎ頭皮を保湿する成分が配合されている
③紫外線対策スプレー
髪は身体の中で最も紫外線を浴びる場所です。
紫外線のUVA波は肌の真皮まで届き、コラーゲンやエラスチンなどの柔軟成分を破壊します。
すると、頭皮がたるんで毛穴が開きっぱなしになり、皮脂や汚れが詰まりやすくなります。
さらに、UVBによって頭皮表面が火傷し炎症や乾燥によって硬くなると、その下にある毛細血管を圧迫し、血流を悪くしてしまうのです。
紫外線対策スプレーを使用すれば、紫外線が頭皮や真皮層に届くのを防ぎ、抜け毛予防に効果が期待できます。
こんなスプレーはNG
- 刺激性のある添加物(パラベンや鉱物油、アルコールなど)が含まれている
- 髪につけるとべたつく
- 白浮きする
- 汗によってすぐ落ちてしまう
- シャンプーしてもなかなか落ちない
編集部のオススメ
Le ment(ルメント)フレグランスUVスプレー
2,100円 80g
- UVA、UVB両方をブロックする
- 刺激の強い成分が無添加
- 透明で白浮きしない
- 香りが良い
- べたつきがない
- ウォータープルーフだが、シャンプーで簡単に落とせる
④女性育毛剤(頭皮美容液)
女性の抜け毛は乾燥や血行不良、加齢などによって頭皮環境が悪くなっていることが主な原因です
女性用育毛剤には、保湿や血行促進、皮脂分泌抑制、抗菌、抗炎症、毛母細胞活性促進など、女性の頭皮トラブルに合わせた成分がたっぷり配合されています。
また、医薬部外品なので厚労省に効果が認められた成分が使用されており、育毛や抜け毛の予防効果が期待できるのです。
さらに、刺激のある成分無添加のものが多く、女性のデリケートな肌に刺激にならないよう配慮されています。
こんなスプレーはNG
- ニオイがきつすぎる
- べたつきが強く、なかなか浸透しない
- さらっとしすぎていて保湿作用が弱い
- 液ダレしやすい
- エタノールが多く配合されていて刺激になる
- ヘアカラーやパーマが落ちてしまう
編集部のオススメ
マイナチュレ無添加育毛剤
参考価格:5,195円(120ml)
- 「医薬部外品」の表記があり、センブリ、グリチルリチン酸などの有効成分が配合されている
- 天然由来成分を中心に、頭皮環境の改善に働きかける成分が配合されている
- 髪と頭皮の健康に不要な成分が無添加
- べたつきが少なく、髪がぺしゃんこにならない
- 頭皮にピンポイントで噴射できる形状
[ 調査・編集 ] AKANE