髪の悩みの原因はシャンプーにある
美容師にもっとも求められる技術とは何か?私たちは当然「髪を上手に切ること」だと思っていますが、美容室の評価を決めるのは、実はシャンプーであると加藤さんは言います。
「私にシャンプーのこと語らせたら丸一日じゃ終わりませんよ(笑)」
自分が満足したシャンプーでなければ、お客様に提供しないというこだわり。気になるシャンプーは「含有成分に問題はないか」「使ってみて納得できるか」など入念に調べているとのこと。
そんな加藤さんの元には、ヘアケア・スキンケアの悩みを持つお客様がたくさん来店されています。そんな中で多くお客様が誤解されていることがあるという。
それがシャンプーの選び方なんです。
髪の悩みはシャンプーのやり方よりもシャンプーの選び方に問題がある。
加藤さんご自身の体験談を話し始めると、こんな質問を私たちにしてくれました。
食器洗剤でシャンプーしたいと思いますか?
美容師の最初にして最大の悩みが「手荒れ」だと言います。
見習いとして最初に行う仕事はカットでも、カラー・パーマでもなく、シャンプーです。お客様の頭を丁寧に洗い続ける日々で、ひどい手荒れに悩まされたそうです。
「薬指と小指の皮が剥がれ落ちて、曲げることすらできなかった」
本来、皮膚は“皮脂”によって柔らかい状態を保っているのですが、石油系界面活性剤を使用した強い洗浄剤によって皮脂は除去され、皮膚は乾燥し、剥がれやすくなっていく。
シャンプーと称されてはいるが「これほど肌にダメージを与える薬剤をお客様の頭につけて良いものだろうか」と疑問を持った加藤さんは、シャンプーの成分を調べるようになりました。その結果、とんでもない事実を知ることに。
「安価なシャンプーは食器洗剤とほとんど成分が一緒なんです」
普段の生活の中で、食器洗剤やシャンプーの成分など確認されたことありますか?私はありませんでした。多くの女性も同様に、チェックされていないと思います。しかし、パッケージこそ違うけれど、中身の成分は非常に近いものであると加藤さんは言います。
「もっと綺麗に」が招いた悪循環
頭皮ケアなどを考えると「皮脂は毛穴を詰まらせている悪いもの」という考え方があります。男性も女性も健康な髪求めて、朝晩髪を洗う人もいるほど。しかし、それは大きな誤解だったんです。
「皮脂はどんなに高いお金を払っても買うことができない最高級の美容液だと思ってください」
それにもかかわらず私たちは「皮脂を落とすこと=美しくなること」だと信じて、洗浄力の強いシャンプーを何度も使い続けた結果、頭皮環境は荒れて赤味がかってしまう人もいるようです。
こうした症状は女性の「キレイになりたい」という想いに起因していると加藤さんは言います。CMで起用されている女優さんの髪をみて「私もこうなりたい」と感じてしまっても、安易に購入するのは危険です。成分を見て判断するのが理想であると言えるでしょう。
加藤さんが推奨するシャンプーの選び方
「うちのスタッフはみんな手がキレイなんですよ」
ハニーポットでは加藤さん自らがチェックして、お客様に提供できるシャンプーであるかどうかを判断しているため、手荒れで悩むスタッフは一人もいらっしゃらないようです。
加藤さんも、今では一切手荒れをしないでいられるのも、髪・地肌に本当に良いシャンプーを使っているからなんです。
そこで「どんなシャンプーを選べば良いのか」の教えていただくことに。
シャンプー選びの4つの条件
- 1|石油系界面活性剤を含んでいない
石油系界面活性剤を使い続けることで、あなたの髪と頭皮には知らぬ間に大きなダメージを与え続けています。「ラウリル硫酸~」などの表記のある成分は、大切な皮脂まで奪い去るほどの強力な洗浄成分で、頭皮の荒れ・硬化につながってしまうのです。 - 2|アミノ酸洗浄剤
一般的に「赤ちゃん専用」と呼ばれるものがありますが、それは「アミノ酸」であることが多いです。赤ちゃんの弱い肌にも使える優しい洗浄成分であるため、頭皮のターンオーバーを適切に保つことができます。 - 3|ノンシリコンシャンプー
シリコンは「髪の手触り」を良くする成分なので、汚れをおとす成分ではない。シリコンが頭皮に付着したままになると、頭皮に膜を張ってしまう。抜け毛や痒みの原因となり、さらには育毛剤の効果も減少させる恐れがあります。 - 4|合成保存料・合成香料を使用していない
本来のシャンプーは「腐るもの」ですが、そうならないために合成保存料を使用されています。また、本来シャンプーの香りとは洗っている中で消えてしまうものですが、香りを保つために合成香料を使用しています。こうした成分も髪・地肌には不要な成分です。 - 5|自分に合っていること
どんなに良いシャンプーを使っても、また粗悪なシャンプーを使っていようと「頭皮が健康である」ならば、そのシャンプーはあなたに適していると考えられます。最後は実際に試用してみて、相性がいいものと付きあえばOK。
天然成分100%のシャンプーが理想
加藤さんのオススメは天然成分100%で作られた、ノンシリコンのアミノ酸シャンプーとのこと。本来の健康な髪に戻っていくため、シャンプーだけでも髪がまとまりやすくなり、トリートメントも要らないんです。
とはいえ、これまでトリートメントを使用していた人には、シャンプーだけの仕上がりだと、物足りない気がするとのこと。
そんな時には、洗い流さないトリートメントを毛先につけるのがおすすめ。
なぜ、洗い流さないトリートメントなんでしょうか?そこには理由がありました。
「トリートメント類には必ず“髪につけてください”っていう注意書きありますよね。なんで頭皮に付けてはいけないのか、知っていますか?」
コンディショナーやトリートメントにも、シリコンが使われているため、頭皮に着けてしまうとシャンプー同様に抜け毛や痒みの原因になるため、過度の使用は控えた方が良いとのこと。
ちなみに、加藤さん愛用のシャンプーと一番成分が似ているのが「haru黒髪スカルプ・プロ」。天然成分100%という点も同じで、髪のトラブルを抱えている方にもおすすめのシャンプーであると教えてくれました。
髪と頭皮が喜ぶシャンプーの4つのコツ!
美容師さんのシャンプーがなぜ気持ちよいのでしょうか?加藤さんは下積み時代からずっと「どうすればお客様が喜んでくれるのか」をずっと考えていたそうです。
上手にシャンプーをすることだけでなく、安全なシャンプーを選ぶ理由は、お客様への想いがあるから。
そんな長年の経験で培われてきたシャンプーテクニックを惜しみなく教えていただきました。 “髪と頭皮が喜ぶシャンプーのコツ”として私たちも実践できることをご紹介します。
①入念な予洗い
予洗いとは、お湯で地肌を洗い、汚れをうき上がらせることです。
シャンプーの前には必ず「予洗い」を約1~2分行ってください。実は、これで汚れの8割くらいは落とすことができるのです。
髪を濡らしただけで、十分な予洗いをしないままシャンプーをつけてしまう人がいますが、それは間違い。予洗いをしないと泡立ちも悪くなり、2度洗いをすることになってしまいます。
石油系のシャンプーを2度も頭皮につけるのは、体への負担も大きくなりやすいので止めましょう。
予洗のコツは、シャワーヘッドと一緒に手の平にしっかりお湯を貯めながら頭皮を濡らしていくこと。あくまでお湯で洗うのは髪ではなく地肌だと思ってください。
② 地肌をマッサージする様に洗う
予洗いが終わったら、シャンプーで頭皮をマッサージする様に洗います。この時、必ず指の腹を使うようにしましょう。痒みがあると、つい爪を立ててしまいがちですが、かえって頭皮が傷ついてしまいトラブルの原因になってしまいます。
そして、洗い終わった後は「泡パック」。洗い流す前に1~2分で構いませんので、そのまま放置して、髪に良い成分の吸収を促します。天然成分100%のアミノ酸シャンプーを使っているから髪に良い効果があるのです。
一方、石油系のシャンプーを使っている人は、できるだけ洗う時間を短くしなくてはなりません。予洗いで落としきれない汚れを落とす程度して、すぐにすすぐようにしましょう。※石油系のシャンプーで泡パックはしないでください。
③ 洗浄剤をしっかり落とす
泡を流したからと言ってシャンプーの洗浄剤を落としきったとは言えません。洗浄成分を洗い流すためには1~2分、入念なすすぎが必要です。
特に洗浄剤が残りやすいのは、襟足、耳の後ろ、おでこ(フェイスライン)など。そのあたりに赤く吹き出物ができやすい人は、シャンプーのすすぎが足りてない人ですので、注意してください。
④ 1000ワット以上のドライヤーで一気に乾かす
シャンプー後の頭皮は、暖かくて湿気のある状態なので、雑菌がとても繁殖しやすい状態なんです。せっかくシャンプーしたのに雑菌だらけ…そんな状態にはなりたくありません。
そのために1000ワット以上のドライヤーで一気に短時間で乾かすのがポイント。髪をケアするために、弱い温風で乾かす人も多いようですが、それは間違いです。
虫眼鏡で集めた太陽光を黒い紙に当て続けると、紙は燃え始めます。実はドライヤーもそれと一緒。長時間当て続けていると、髪は乾燥する(焦げに近い状態になる)ので、却って悪影響を及ぼします。
もちろん乾かすのは髪ではなく地肌中心。
地肌を乾かしながら、髪もある程度か湧くと思います。
そして、最後に必ず冷風を当てて、髪にこもった熱を取ること。日本人の黒い髪は熱がとどまりやすいので、髪のダメージを取り除くためにも冷風を当てて熱を冷まして下さい。
シャンプーとドライヤーで仕上がりが変わる
美容室でシャンプー、ブローをしてもらった後、仕上がりの違いを感じたことはありませんか?
カットしてもらったばかりだから?
プロがスタイリングしているから?
サロン専売のヘアクリームをつけてもらったから?
どれも正解ではありません。
「シャンプーとドライヤーを変えれば、仕上がりは全く変わってくると思いますよ」
そう、髪の仕上がりが変えているのは「シャンプーとドライヤー」だったんです。石油系界面活性剤をはじめとする、髪や頭皮にとって不要な成分が一切は言っていない天然100%のシャンプー。そして1000ワット以上の高出力で一気に乾かすことができるドライヤー。
健康な髪を取り戻すならぜひ使ってみてください!
どうして市販の商品がいいのですか?
「お客様から『市販のシャンプーならどれがいいと思いますか?』とよく質問されるんですけど、私は『なぜ市販のシャンプーが良いのですか?』と逆に質問しています」
某市販シャンプーのテレビCMなどを見ていると、素敵な女優さんが「まるでそのシャンプーを使ってきれいになった」様な演出がなされている。それを見ている私たちは、含有成分に何の疑いもせず「良さそうだ、使ってみよう!」と購入しています。
その結果「サロン専売品は高額、市販品は手頃」という図式が出来上がっているのが現状。
「本当にそれでいいのでしょうか?」と加藤さんは疑問の声を上げています。
- 安価であっても悪い影響を及ぼすシャンプー
- 高額だけど改善効果があるシャンプー
私たちはもちろん後者をお勧めしますが、あなたはどちらを使いたいと感じますか?
「薄毛になってしまったら手遅れ。そのために薄毛にならないためのアドバイスならできます!」
薄毛はなってしまったら、すぐに治すことはできません。
だからこそ、早い段階での予防対策が必要なのです。
もし、あなたがご自身の髪に不安を抱いているなら、ぜひこの記事を参考に薄毛対策を始めてみませんか?